art space tetra とは(集団の定義)

結論から言うと、art space tetraとは、組合とアートコレクティブのハイブリッド型の集団という事です。勿論、独断と偏見に塗れてます。今後関わる中で変化するかもですが、何事もその時何を考え基軸としていたのかを記録しておく事は非常に大事という訳です。

また、入って間もない自分が、何故そう言い切れるのか?
そして何故、入ろうと思ったのかを書くにあたり、前提の4つ(「組織」「組合(union)」「アートコレクティブ」、「DAO(分権型自律組織)」)の集団形態を基に解釈したものを記載します。

また、ここでの組合はアート組合を指します。

最後に自分が何をしたいのかというのも記載致します。

指標の選定


比較項目(定義と目的、構造と運営、法的な位置づけ、参加の性質、活動の焦点)から、4つのカテゴリを明確に区別しつつ、視覚的に理解しやすい2軸を選びます。以下の2つの指標が効果的と考えられます
X軸: 構造の硬直性(Structured Rigidity)
定義: 運営や意思決定における階層性やルールの厳格さ。

理由: 組織は階層的で硬直的、組合は民主的だが一定のルールあり、アートコレクティブは自由で柔軟、DAOは自動化されつつも分権的という違いを反映。

尺度: 0(非常に柔軟)~10(非常に硬直的)。

Y軸: 目的の外部指向性(External Orientation)
定義: 活動が内部メンバーに向かうか、外部成果に向かうかの度合い。

理由: 組織は外部成果重視、組合は支援、アートコレクティブは表現(外部と内部の中間)、DAOは分散型目標(状況次第)と対比可能。

尺度: 0(完全に内部指向)~10(完全に外部指向)。

1. 定義と目的


組織: 人々が特定の目標を達成するために役割や責任を分担して構成された集団。

例: トヨタ自動車は、車を製造・販売し利益を上げることを目指す。
特筆: 効率的な運営や成果物の生産が主目的で、中央集権的。

組合(以下、アートに絞る): アートを通じた表現や支援を目的に、アーティストや愛好家が集まった団体。

例: 19世紀イギリスの「Art Union」は、会費で芸術作品を抽選配布し、芸術家支援と普及を目指した。
特筆: 芸術の創造、普及、社会的発信が目的で、商業性より表現や支援が優先される。

アートコレクティブ: 芸術的表現や創造的活動を共有するために集まったアーティストのグループ。

例: チームラボは、技術とアートを融合させた作品を共同制作。
特筆: 創造性や共同制作が目的で、商業的成功よりも表現が優先される場合も。

DAO: ブロックチェーン技術を活用し、共通の目標を自動化されたルールで追求する分権型組織。

例: ConstitutionDAOは、米国憲法のコピーを購入するために資金を集めた。
特筆: 中央管理者がなく、透明性と参加者の自己統治が目的。

違い: 組織は成果、組合は権利、アートコレクティブは表現、DAOは分権的統治を重視。

2. 構造と運営


組織: 上下関係や指揮系統が明確で、トップダウンの意思決定が主流。

例: 学校では校長が方針を定め、教員がそれを実行。
特筆: 役割分担が厳格で、ルールに従った運営が求められる。

組合: 民主的またはゆるやかな運営で、メンバー間の協調と自主性が混在。

例: 現代の地域アート組合が、展示企画を全員で話し合い決定。
特筆: リーダーシップは状況次第で、創造的自由を保ちつつ共同運営。

アートコレクティブ: ゆるやかな協力関係が多く、個々の自主性と協調性が混在。

例: ゲリラ・ガールズは、匿名で活動し各自がアイデアを持ち寄る。
特筆: 明確なリーダーがいない場合もあり、柔軟で流動的。

DAO: スマートコントラクトによる自動化と投票による意思決定が特徴。

例: MakerDAOでは、トークン保有者がガバナンス提案に投票。
特筆: 人間の介入が最小限で、コード化されたルールが運営を支配。

違い: 組織は階層的、組合は民主的、アートコレクティブは自由、DAOは自動化+民主的。

3. 法的な位置づけ


組織: 法人格を持つことが多く、法的な規制や義務を負う。

例: 株式会社は会社法に基づき登記され、税務責任を負う。
特筆: 外部からの法的責任が明確に定められている。

組合: 法的地位は状況次第で、非公式から法人格を持つものまで様々。

例: 歴史的なArt Unionは慈善団体として登録されたが、現代の小規模アート組合は非公式な場合も。
特筆: 活動目的に応じて法的枠組みを選択、柔軟性が特徴。

アートコレクティブ: 通常、法的な団体としての地位を持たず、緩やかな集まりに留まる。

例: バンクシーのような集団は、法的な枠組み外で活動。
特筆: 商業目的でない場合、法的登録を避ける傾向。

DAO: 法的な地位が曖昧で、国や地域により扱いが異なる。

例: Wyoming州ではDAOを法人として認める法律があるが、多くの地域では未定義。
特筆: デジタル空間での活動が主で、伝統的な法体系に適合しない場合も。

違い: 組織は法的厳格、組合は目的次第で法的、アートコレクティブは非公式、DAOは法的不明瞭。

4. 参加の性質


組織: 雇用や任命など、外部からの決定による参加が多い。

例: 新入社員は採用試験を経て企業に入る。
特筆: 個人の意思よりも組織のニーズが優先。

組合: 芸術への関心や支援を共有する者による自主的参加。

例: 組合員が会費を払い、展示会や支援活動に参加。
特筆: 参加は任意で、創造的関与や支援意欲が動機。

アートコレクティブ: 情熱やビジョンを共有する者同士の自主的参加。

例: Fluxusは、実験的なアートを志向する者が集まった。
特筆: 参加は創造的動機に基づき、強制力はほぼない。

DAO: トークン購入や貢献を通じて誰でも参加可能。

例: Uniswap DAOでは、トークン保有者がガバナンスに参加。
特筆: 参加はオープンだが、影響力はトークン保有量に依存。

違い: 組織は義務的、組合は自主的、アートコレクティブは情熱駆動、DAOはトークン駆動。

5. 活動の焦点


組織: 外部に向けた成果やサービスの提供に注力。

例: 病院は患者に医療サービスを提供し、運営の持続を目指す。
特筆: 顧客や市場ニーズへの対応が中心。

組合: アートの制作支援、普及、社会的発信に注力。

例: 組合が地域アーティストの展示会を開催し、文化振興を図る。
特筆: アーティスト支援と観客への訴求が中心で、商業性は二の次。

アートコレクティブ: 芸術的表現や社会へのメッセージ発信が焦点。

例: ACT UPは、エイズ問題をアートで訴え社会変革を目指した。
特筆: 商業性よりも自己表現やインパクトを重視。

DAO: コミュニティの目標達成や資産管理、プロジェクト推進が焦点。

例: Friends With Benefits DAOは、クリエイターの支援と交流を目的とする。
特筆: 分散型ガバナンスで、参加者全員の利益と目的を追求。

違い: 組織は成果、組合は支援、アートコレクティブは表現、DAOは分散型目標。

結論


組織は効率と成果を追求する構造的集団、
組合は支援と発信を重視する団体、
アートコレクティブは創造性と自由を求める緩やかな集まり、
DAOは分権化と自動化で目標を追う新しい形態です。

テトラは、上下関係がない為組織ではなく、DAOのような明確な目標もなく、
支援や発信のみならず自らが創造性や共同による表現などを行う事で、
組合とコレクティブの両方に該当する集団だと言えます。

共通点: いずれも人々が集まり目的を共有する点。

相違点: 運営方法(階層 vs 協調 vs 自由 vs 自動)、法的地位(明確 vs 柔軟 vs 非公式 vs 未定義)、焦点(成果 vs 支援発信 vs 表現 vs 分散目標)が大きく異なる。
DAOはアート組合の自主性・支援性、アートコレクティブの柔軟性、組織のルール依存を融合させた存在とも言えるのかな。

最後に


入った理由を記載します。
様々な設備や機能、共同出資で大きなプロジェクトを実現可能という点も一つの魅力です。
個人の出来ることは限られていますが、自分に出来ない事を助けてもらったり、教えてもらったり、共同により自身では実現出来ない事を達成できる形態だからというのは大きな理由です。

以下に、現時点のやりたい事一覧を記載します。

社会実験をしたい

  • 場所や郷土に関連する事象にフォーカスし、規則性を見出し、特定の環境下での音の変容の記録
  • snsの活用実験 (Xのスペース等を巻き込んだワークショップ・ミーティング)

トークイベント

  • 人に焦点を絞って、1人の作家(音楽、美術に関わらず)をゲストに呼んで、バックボーンを根掘り葉掘り聞くイベント。音楽に絞れば、ドミューンみたいに、ゲストの影響受けた好きな音楽家の音源をひたすら流しながら、ゆるいトークをライブ配信するみたいな。

組合的な取り組み方を学ぶ/実践

  • 例えば、fluxを例に、音/映像/舞踏などで一つの作品を制作する
  • スイスのジュネーブのアート組合とオンラインで取り組み方を相互交換
    具体的に組合のシステムや組合としての動き方や作家の活動などを質疑する

アトリエ(スタジオ)として活用したい

  • 作品制作予定 (平面・映像・プログラミング)
  • 音楽制作 (ライブレコーディング * 作曲)
  • アイスランドレポート&展示