flux vol.1

2020年12月20日は、このところ福岡では曇りがちの日が続いていたのですが、珍しく晴天に見舞われた日となり、この日はいつものリモートワークのセットではなく、楽器(愛用のカラザースギターのアップライトベース)を担いでの出勤?となりました。

この日は待ち望んだSALTでのイベントの日ですよ。

さて、先ずは、いきなりの言い訳ですが(ごめ〜ん🙇‍)、この日は個人的にトラブルが多く、例えば、エイトさんの作品に映像(salt付近の海)を自前のアプリで投影する予定でしたが、見事に室内が明る過ぎて全く見えず、プロジェクターも自前の単焦点プロジェクターやsaltのプロジェクターなど試行錯誤しながら投影していましたが、そういうレベルの問題じゃなく、絶対的な環境光により断念せざるを得なかったり、パフォーマンス時も手持ちのプロジェクターがうまく認識しなかったり、そもそもボヤッとしか見えなかったりと内心焦りまくってました、、はい。

今回は、配信メインのイベントの為にエイトさんの作品を基準に機材関係の設置から演奏位置を決める形となり、僕自身、こういった撮影の環境や見せ方は初体験でしたので、とても勉強になったのと、ある程度オペレーターの方がいないときちんとした配信にはならないという難しさを実感したのでした。

12時過ぎてるにもかかわらず、配信の準備などでバタバタしている中、お子さんを連れて遊びに来てくれたsaltの会員の方や招待客の方々は、エイトさんの作品の中で寛いだり、作品を見て感想を述べられていたりとリラックスして楽しんで頂けているように感じ、その時はホッとしたのを覚えてます。

15時頃、イベント本番がスタートとともに、偶々さんから演奏が始まりました。
福山さんは、福岡県大牟田市にある、明行寺の住職という事もあり、始まる際に海の方角に向かって、南無阿弥陀仏を唱えてから、静かに始まりました。
繊細な笙の演奏とcodamaさんのエフェクティブでループされた声のハーモニーが波の音と交じり合い、一つの儀式を行っている感覚となりました。
お客さんも機材のオペレーションの方もsaltのスタッフも皆集中して聴き入っており、始まって早々ですがエイトさんの作品を背景にとても幻想的な世界に変化していたように思えます。

その次は、バスクラ・ソプラノサックス奏者の中村さん。
いつもの即興的なアプローチよりもメロディや曲構成が明確な形でアウトプットされていました。
40分ほどの長い演奏時間にもかかわらず、3つの楽器(メロディオン、、だったと思う、バスクラ、ソプラノサックス)をリレー形式で楽器毎の特徴を生かした演奏をされて最後まで楽しむ事が出来ました。

ここまでで一旦、個人的に配信イベントの難しいなと思った点をあげます。
演奏と演奏との間のインターバルの時間が発生して、今回、30分程度のスパンが発生し、この間をどう画面の向こうで見ている人に対して飽きさせない仕組みをどうするかなど、客観的にどう画面で見えているかが分からない為、そこを意識して対処するのが難しかったですね。

さて、再びイベントの方へと戻ります。

前回、空間の広さの関係上、エイトさんの作品の中で演奏とパフォーマンスを行い、それはそれで面白い見え方にはなっていましたが、周りの状況が視覚的に見えない為、即興で主に重要な要素である空気感や演者の呼吸を感じる事が出来ず、勘で音の強弱や展開をし最後までふわっとしたモヤモヤ感が残った演奏となりました。

今回は、アップライトベースをメインにその場でサンプリングしてリバーブやディレイの空間系のエフェクトを足していく、割りかしオーソドックスな音を基準にフィルターで宇宙っぽい音を出したり、自作アプリを床におくパフォーマンスをしたりして、舞踏の松岡さんや中村さんとのセッション時にも空気感を感じる事が出来て、自分の中では演奏した〜って気分になったこの日のパフォーマンスだったと思います。

最後は、当時にサンプリングした波の音を加工しながらフェードアウトし、完全に音が切れた状態となりましたが松岡さんが続いており、この時の天然?の波の音と緊張感のあるパフォーマンスが僕的には最高過ぎました。

fluxという語源はもともと、波だったり変化し続ける事象を指すのですが、この言葉を体現するような意識で演奏出来たんじゃないかなと、この日は結構しっくりきた演奏が出来たかと思います。

salt関係の方も言葉をかけて頂き、前向きに感じ取って頂けて本当に開催して良かったと思います。

年末年始は、ゆっくりと振り返りながら来年に繋げていける形で今回の経験を活かして行きたいと思います。