11月 24, 2020

flux vol.0

flux vol.0 明治から昭和にかけて国際的な貿易拠点として発展した門司港。以前は、横浜・神戸と並び「日本三大港」の一つにも数えられていた日本の文化や経済にとって重要な場所。レンガ造りの建物などが当時のまま残っており、レトロな雰囲気を持つ一帯は「門司港レトロ」と呼ばれてる。そんな多種多様な文化が織り交ざる門司港の独特な雰囲気を感じながら、インスタレーション、音楽、舞踏のライブ。

flux vol.0

連休の中日であるこの日、門司港駅からほど近い位置にあるhygge(ヒュッゲ)というカフェでfluxのvol.0を開催致しました。

何故vol.0?という疑問もあるかと思いますが、12月20日に僕が利用しているシェアオフィスのSALTで企画した事から始まったイベントという事で、1回目はあくまでSALTであるという意味となります。
本来、この日にSALTで行う予定だったのが、都合により別日となった為に急遽門司港で行う事になったという背景があります。
因みに肝心のfluxというイベント名は下記のような意味合いとなります。

fluxとは
海を目の前にするロケーションに位置するsaltは波の音が特徴的な為、波の性質(流動、絶え間ない変化等)を表す

体調がここのところ崩している事もあり、この日きちんと責任を果たせるか不安もある中ではありましたが、連休中、レンタカーが借りられない中運よくシェアカーを無事に借りる事ができて機材も何とか積み込む形で出発しました。
途中、タイミングよくLoveFMでアートスペーステトラの特集(丁度、高速のトンネルなどの影響で残念ながらあまり聞く事はできなかった)などもあり、盛り上がりながらも無事に門司港へ到着。

本イベントの会場であるhyggeというカフェスペースは手前は、テーブルやカウンターなどの所謂お洒落なカフェといった感じですが、奥のスペースはアンティークな家具なども雰囲気を醸し出していましたが、良い意味で雑然とした感じで、自分の感性に突き刺さってくるような空間が広がっていて、それで居て友人の家のような安心感もあるといった不思議な印象といった感じです。

設置前に少し観光を行い、カフェに戻り次第、室内の家具の大移動から始まり、エイトさんのマウンテンの設置をみんなで力を合わせて行い、作品に合わせ演奏者の位置や当日の流れを軽く打ち合わせる形で本番に臨みました。

始まりは、中村さんの独奏。
僕は裏手にある倉庫で、パフォーマンスに使用する素材をフィールドレコーディングしながら聞いておりました。
丁度、雨が降っていて、建物に当たる雨の音が温かみのある、少しテンションの低いパーカッションのような打楽器の音のようにも聞こえ、それに中村さんの音が重なって多分僕だけ雨音とのセッション的な利き方になっていたと思いますw

次にブランコノリ(こだまさんとゆうへいさんのユニット)の演奏と続きます。
東京と福岡という遠距離というのを感じさせない完成度の高い楽曲と透明感のあるボーカルという組合わせで、そこにこだまさんが水槽を使ったパフォーマンスが組み合わさり、音もあることながら空間への強い拘りも感じさせ、エイトさんの作品と水槽の幻想的な組み合わせが印象的でした。

その後、休憩を挟み僕の出番がきてしまいました。

今回はスペースの問題もありましたが、エイトさんの作品の中に入り込んで中から映像と音のパフォーマンスをする事にしました。
思いの外、準備に手間取り、撮り溜めていた音源や映像をVDMX5に取り込み、リアルタイムで操作しながらメインステージで同時にサンプリングをして、音を加工しながら、映像も加工して、processingを操作してみたいな感じで、前半はコントロール出来ておらず、観光の時のみんなの話し声とかをそのまま乗っけてしまい、幻想的な雰囲気をぶち壊しながらも、波の音をフェードインした後は徐々に落ち着きながら、松岡さん、中村さんとのセッションとなり、恐らくエイトさんもどこかでパフォーマンスをしているという事を想像しながら(外の様子が見えないから想像ですw)声にピッチを低くしたりタイムストレッチをかけてドローン的な音像に変化させた後は、自作のアプリから発するグリッチ音を時折重ねながら(自作のアプリの映像を流そうと思いましたが、VDMX5に繋ぐと音でないトラブルがあり映像は断念、、)一心不乱に映像を加工して意識はほぼぶっ飛んで行きながらも、最後は勘?でうまい具合に収束する感じで終わらせる事が出来たと思います。

外の様子が全く見えずに不安を抱えながら、作品から出て見ると意外に良い反応がありよく分からないながらもホッとしました。

終了後は、お客さんとの会話やお店からサプライズで打ち上げのお食事を出して頂いたり、門司港という知り合いもいない土地にも関わらず、福岡からわざわざ来ていただいた方や地元のお客様の暖かいおもてなしにより、コロナ禍で忘れかけていた人の温かみを多く与えて頂き、特に場所の提供や告知などの協力頂いた池上さん、hyggeのスタッフの方には感謝致します。

この良い流れをそのまま次回12月20日に行われるSALTに繋いで行けたらと思ってます。

flux vol.0
入場無料(カンパ制)
会場:hygge (シャッチョビル1F)
住所:福岡県北九州市門司区栄町5-19
参加アーティスト:
monogs / 八尋eito恵 / 中村勇治(サックス) / 松岡涼子 / ブランコノリ
企画/協力
ジョウノ タカシ / 池上 貴弘